エッセイ
教えて!伊達さん ~お金にまつわるお話~ 第66回
2022年11月26日
教えて!伊達さん ~お金にまつわるお話~ 第66回
◆ふるさと納税するメリットはなに?
こんにちは、ファイナンシャル・プランナーの伊達です。
子育てコンビニでの暮らしのお金に関するこのコラムでは、皆さんの暮らしに役立つ内容をお伝えします。
年末が近づくと、年内にふるさと納税をしようと思う人も多いでしょう。また、上限額ぎりぎりを狙って慌ててふるさと納税をする人もいるかもしれません。
ふるさと納税がなぜお得と言われるのか?年末にふるさと納税するときの注意点はあるのか?今回はふるさと納税について紹介します。
■ふるさと納税とは
ふるさと納税とは、「納税」の名前が付いていますが、実際には自治体(都道府県や市区町村)への「寄附」です。
ふるさと納税では、寄附する自治体を自分で選ぶことができたり、自治体によっては寄附する目的を選ぶことができたり、返礼品をもらえたりします。また、寄附されたお金の使い道についても知ることができます。
一般にふるさと納税をした場合、確定申告をすると税金(所得税・住民税)が安くなります。住んでいる地域の住民税の一部を、自分の選んだ地域に寄附という形で納税するイメージです。
■ふるさと納税は何がお得なのか
ふるさと納税は確定申告をすると税金が安くなりますが、原則として自己負担額2,000円を引いた全額がその対象です。
例えば、年収700万円の人が、ふるさと納税を40,000円(A市の20,000円、B市に20,000円)し、納税額の3割分の返礼品をもらったとしましょう。
・ふるさと納税の額:40,000円
・税金が安くなる額:38,000円(自己負担額2,000円を引いたあと)
・A市の返礼品(食料品):6,000円(20,000円の3割)
・B市の返礼品(旅行クーポン):6,000円(20,000円の3割)
税金が安くなる分は38,000円ですので、確かに節税になりました。しかし、ふるさと納税した金額を考慮すると2,000円の自己負担分だけ支出が多くなります。ここで、返礼品12,000円分を考慮すると10,000円分のお得です。
ふるさと納税は確かに税金が安くなりますが、寄附した分をトータルすると決して得にはなりません。寄附先を選べたり、使い道を指定できたり、返礼品をもらえたりといった点を含めてメリットがあるわけです。
■ふるさと納税しないという選択肢
一方で、住んでいる地域の住民税は減ることになります。特に都心の自治体では、ふるさと納税によって住民税収入が減り、ゴミ収集や保育園、公共施設などの行政サービスに影響が出るのではと問題になっています。
保育園などを利用している人は、あえてふるさと納税をせず、住んでいる地域に全て納税するという考え方もあります。
■年内ぎりぎりのふるさと納税は受付時期に注意
ふるさと納税をして確定申告をすると「寄附金控除」によって税金が安くなりますが、そのためには年内(12月31日まで)にする必要があります。
クレジットカードや振込の場合、ふるさと納税の入金手続きに時間がかかることがあります。慌てて年内ギリギリに手続きをしても、自治体への入金日が翌年になっていると今年の寄附金にはなりません(翌年分の対象になります)。
年内の締め切りについて自治体の案内を確認し、余裕を持って早めに手続きをしましょう。
ふるさと納税をするときは返礼品だけではなく、その地域への思いや使い道なども考えていただければと思います。
ぜひ参考にしてください。
参考:ふるさと納税ポータルサイト
https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/080430_2_kojin.html
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FPオフィス マネーライフ・ラボ三鷹 代表 伊達寿和
会社員時代にファイナンシャルプランナー(FP)の職業に出会う。
充実した人生を生きるには個人個人がお金に関する知識を持つことが重要と思い資格を取得。その後事務所を開業。
親身なアドバイスと分かりやすい説明を心掛けて、三鷹市を中心に活動中。
CFP(日本FP協会認定)、1級FP技能士、住宅ローンアドバイザー。日本FP協会「くらしとお金のFP相談室」2017年相談員
ホームページ https://mitaka-fp.jp/
※コラムの内容は執筆当時の情報によります。
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