エッセイ

教えて!伊達さん ~お金にまつわるお話~ 第67回

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2023年1月5日

教えて!伊達さん ~お金にまつわるお話~ 第67回

◆パートの仕事で妻の収入が103万円を少し超えてしまったら?

こんにちは、ファイナンシャル・プランナーの伊達です。
子育てコンビニでの暮らしのお金に関するこのコラムでは、皆さんの暮らしに役立つ内容をお伝えします。

パートで働く人で多いのが「扶養の範囲内」で働くケースですね。所得税がかからない年収103万円以下に仕事を調整している人も多いと思います。

もしかしたら、年収103万円以下になるように調整していたけど、12月は残業が増えて103万円を超えてしまう、あるいは掛け持ちで合計103万円を超えてしまうことがあるかもしれません。年収103万円を超えてしまったときの対応について紹介します。

■年収103万円を超えると所得税・住民税が増える

年収が100万円を超えると妻に次の負担が出てきます。
・年収100万円を超えると、住民税の負担が発生する。
・年収103万円を超えると、所得税・住民税の負担が発生する。

年収100万円以下ならば住民税は非課税ですが、100万円を超えると税金の負担が発生するので、手取りが少し減ることになります。

■妻が年末調整または確定申告をする

勤務先で年末調整をする場合は、年末調整で所得税の計算がされるので、税金が給与から天引きされるケースがほとんどです。なお、住民税は翌年の給与から天引きされます。

掛け持ちなどで年末調整をしない場合は、自分で確定申告をする必要があります。勤務先からもらった源泉徴収票を準備して確定申告をし、所得税については確定申告の期限(3月15日)までに納めましょう。住民税については5月頃に市区町村から通知がありますので、それに従って支払います。

■夫(配偶者)の税金の申告にも影響あり

夫の税金にも影響があります。

夫は、妻が年収103万円以下であれば「配偶者控除」、年収103万円から201万円までであれば「配偶者特別控除」を受けられます(ただし、夫の所得が1,000万円を超える場合は受けられません)。

夫の年末調整の申告書類には妻の収入を記入する欄があります。もしかしたら、年収が確定していないので、見込みの金額を記入しているかもしれません。

妻の年収が想定から変わってしまったら、夫の年末調整の申告内容を修正する必要があります。もし年末調整に間に合わなかったら、夫の確定申告をすることになります。

また、夫が勤務先から受ける家族手当などに影響する場合もありますので注意しましょう。

■残業で年収106万円を少し超えても社会保険には影響なし

年収103万円を超えて気になるのが「106万円の壁」ですね。106万円の壁は、社会保険(健康保険、厚生年金)に加入する基準となる金額で、夫の扶養から外れることになるので気にしている人も多いでしょう。

社会保険に加入するケース条件の1つに「月額賃金が88,000円以上」というのがあります。しかし、月額賃金には残業代は含まれませんので、残業が増えて年収が106万円を超えても社会保険に加入するわけではありません。

一方、残業代や通勤手当も含めて年収が130万円を超えた場合は、扶養から外れて社会保険に加入する必要があります。「106万円の壁」と「130万円の壁」で残業代の扱いが違う点は知っておくと良いでしょう。

年収が103万円を少し超えても扶養には影響ありませんが、税金関係の手続きについては忘れずにしましょう。ぜひ参考にしてください。

参考
厚生労働省 社会保険適用拡大特設サイト
国税庁 年末調整がよくわかるページ(令和4年分)

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FPオフィス マネーライフ・ラボ三鷹 代表 伊達寿和

会社員時代にファイナンシャルプランナー(FP)の職業に出会う。
充実した人生を生きるには個人個人がお金に関する知識を持つことが重要と思い資格を取得。その後事務所を開業。
親身なアドバイスと分かりやすい説明を心掛けて、三鷹市を中心に活動中。
CFP(日本FP協会認定)、1級FP技能士、住宅ローンアドバイザー。日本FP協会「くらしとお金のFP相談室」2017年相談員

ホームページ https://mitaka-fp.jp/

 

※コラムの内容は執筆当時の情報によります。

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