エッセイ
教えて!伊達さん ~お金にまつわるお話~ 第69回
2023年4月1日
教えて!伊達さん ~お金にまつわるお話~ 第69回
◆親戚からお祝い金をもらったら税金がかかるの?
こんにちは、ファイナンシャル・プランナーの伊達です。
子育てコンビニの暮らしのお金に関するこのコラムでは、皆さんの暮らしに役立つ内容をお伝えします。
春、3月、4月は学校の卒業や入学、新しく社会人になっての就職など、人生のさまざまなイベントがある季節です。子どもの入学や就職にあたって、親族からお祝いにお金をもらうこともあるでしょう。
お金をもらって気になるのは税金のこと。今回は、贈与と税金について紹介します。
■贈与と贈与税
贈与とは、自分の持っている財産を無償で相手にあげる意思を示して、相手がそれを承諾することで成立します。分かりやすくいえば、財産を「あげます」といって、相手が「もらいます」といえば贈与になります。
贈与を受けた場合にかかるのが贈与税で、贈与税は贈与を受けた人が納める必要があります。毎年、1月1日から12月31日までに受けた贈与の金額によって、納税が必要かどうか、また必要な場合は税額が決まります。贈与税は翌年の2月1日から3月15日の間に申告して納税します。
■贈与になるのはお金だけではない
贈与になるのはお金だけではありません。土地や建物などの不動産、宝石や貴金属、自動車なども贈与の対象です。
贈与を受けた財産の評価額によっては、贈与税がかかることもあります。贈与税は現金で納める必要がありますので、お金はもらっていないのに、贈与税の分だけ手元のお金が減る事もあり得るので注意しましょう。
■贈与税はどれぐらいかかる?
贈与税の税額(暦年贈与の場合)は次のように計算します。
贈与税額=(贈与を受けた額-基礎控除110万円)×税率-控除額
贈与を受けた額が基礎控除の110万円以下であれば贈与税はかかりませんが、この贈与を受けた額は複数の人から贈与を受けた場合は合計額です。Aさんから100万円、Bさんから50万円の贈与を受けた場合は合計150万円ですので、基礎控除の110万円を超えていると判断します。
110万円を超える例として、1000万円の贈与を受けたとしましょう。この場合、一般税率は40%、控除額125万円となり、次のように231万円の贈与税を納める必要があります。
(1000万円-110万円)×40%-125万円=231万円
なお、贈与税には「一般税率」と「特例税率」の2種類があります。贈与を受けた人が18歳以上で、贈与をした人が直系尊属(父母や祖父母など)の場合は特例税率が適用され、一般税率の場合より贈与税が少なくなる場合があります。
■贈与税がかからないケース
贈与を受けると原則として贈与税の対象になりますが、贈与税がかからないケースがいくつかあります。
その1つに「個人から受ける香典、花輪代、年末年始の贈答、祝物または見舞いなどのための金品で、社会通念上相当と認められるもの」があります。
お祝いなどが該当しますが、「社会通念上相当と認められるもの」とありますので、5~10万円であれば問題ないでしょうが、100万円近い金額や高額な品となると認められない可能性もあります。
また他には「夫婦や親子、兄弟姉妹などの扶養義務者から生活費や教育費に充てるために取得した財産で、通常必要と認められるもの」があります。
例えば、祖母が孫の学校の入学金を負担するケースなどです。
ただし、生活費や教育費としてもらった場合はその都度支払いに充てる必要があります。教育費としてもらいながら支払わずに預金にしてしまうと、贈与税の対象となりますので注意しましょう。
1年間(暦年)で贈与を受けた総額が110万円以下であれば原則贈与税がかからないこと、贈与税の対象とならないケースを知っておくと良いでしょう。
税金に関する詳しいことは、最寄りの税務署や税理士にご相談ください。
参考にしていただければ幸いです。
参考
国税庁 No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)
国税庁 No.4405 贈与税がかからない場合
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FPオフィス マネーライフ・ラボ三鷹 代表 伊達寿和
会社員時代にファイナンシャルプランナー(FP)の職業に出会う。
充実した人生を生きるには各人がお金に関する知識を持つことが重要と思い資格を取得し、その後事務所を開業。
三鷹市を中心に活動し、親身なアドバイスと分かりやすい説明を心掛けている。
CFP(日本FP協会認定)、1級FP技能士、住宅ローンアドバイザー。日本FP協会「くらしとお金のFP相談室」2017年相談員
ホームページ https://mitaka-fp.jp/
※コラムの内容は執筆当時の情報によります。
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