エッセイ
教えて!伊達さん ~お金にまつわるお話~ 第70回
2023年5月26日
教えて!伊達さん ~お金にまつわるお話~ 第70回
◆ペイオフについて再確認しておこう
こんにちは、ファイナンシャル・プランナーの伊達です。
子育てコンビニの暮らしのお金に関するこのコラムでは、皆さんの暮らしに役立つ内容をお伝えします。
最近アメリカでいくつかの銀行が破綻したことがニュースで報じられ、日本で銀行が破綻したらと気になっている人がいるかもしれません。銀行が破綻すると預けているお金はどうなるのでしょうか?ペイオフについて再確認しましょう。
■ペイオフとは
万が一、銀行が破綻した場合、預金保険制度によって、銀行に預けていた預金は一定額まで保護される仕組みになっています。銀行が破綻しても預金保険機構が代わりに支払いをしてくれるもので、ペイオフといいます。
ペイオフでは預金の種類によって保護される金額の上限に違いがあります。
・全額保護
決済性預金:当座預金、利息の付かない普通預金
・金融機関ごとに1人当たり、元本1000万円+利息までを保護
一般預金等:普通預金(利息の付くもの)、貯蓄預金、定期預金、財形貯蓄など
・保護の対象外
外貨預金、譲渡性預金、元本補てん契約のない金銭信託(ヒット等)など
銀行にはさまざまな種類の預金がありますが、預金保険の対象かどうかの記載があるので、気になる人は事前に確認しておきましょう。
■名寄せに注意
同じ金融機関に複数の口座を持っている場合は、「名寄せ」という手続きで合算された金額について、元本1000万円+利息までが保護の対象となります。
複数の支店に口座をある場合や財形貯蓄で預金をしている場合は注意しましょう。特に財形貯蓄は見落としがちなので、預けている銀行を確認しておきましょう。
例えば、普通預金で500万円、定期預金で800万円を預けている人の場合は合計1300万円となり、この場合1000万円+利息までしか保護されません。
■ペイオフに備える
ペイオフ対策として、1000万円ずつ別々の銀行に預けるのも1つの方法です。ただし、通帳やカードが複数になることで管理が大変になるかもしれません。また、預金者が亡くなった場合は相続の手続きの手間も増えることになります。
別の方法として、「利息の付かない普通預金」の利用があります。銀行の普通預金には、一般的な利息の付くタイプのほかに、利息のつかないタイプがあり、利息のつかないタイプは全額保護の対象ですので、1000万円以上預けても全額保護されます。最近の普通預金の利率はほとんどゼロなので、利息の付かないことはあまりデメリットにはなりません。
また、銀行で「投資信託」や「国債」を購入された場合、購入した銀行が破綻しても影響はありません。預金と違って、投資信託には別の資産保全の仕組みがあり、国債は元本と利息の支払いを国が約束している商品だからです。
過去の金融危機を教訓に、以前と比べると銀行の財務も強固になっています。それでも万が一の備えを知っておくことは大切です。しばらく話題にならなかったペイオフですが、この際に改めて確認しておくとよいでしょう。
参考
金融庁 預金保険制度
預金保険機構 預金者を保護する仕組み
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FPオフィス マネーライフ・ラボ三鷹 代表 伊達寿和
会社員時代にファイナンシャルプランナー(FP)の職業に出会う。
充実した人生を生きるには各人がお金に関する知識を持つことが重要と思い資格を取得し、その後事務所を開業。
三鷹市を中心に活動し、親身なアドバイスと分かりやすい説明を心掛けている。
CFP(日本FP協会認定)、1級FP技能士、住宅ローンアドバイザー。日本FP協会「くらしとお金のFP相談室」2017年相談員
ホームページ https://mitaka-fp.jp/
※コラムの内容は執筆当時の情報によります。
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