エッセイ

教えて!伊達さん ~お金にまつわるお話~ 第78回

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2024年6月27日

教えて!伊達さん ~お金にまつわるお話~ 第78回

◆大学の学費いくらかかる?最近のデータを紹介!

こんにちは、ファイナンシャル・プランナーの伊達です。
子育てコンビニの暮らしのお金に関するこのコラムでは、皆さんの暮らしに役立つ内容をお伝えします。

子どもの教育費で大きくかかるのが大学の学費です。大学に進学する学生が増えている一方で、学費の負担を大きく感じている家庭も多いでしょう。

大きな費用が必要であれば、子どもが小さいうちから準備しておきたいですね。今回は文部科学省の最新の令和5年度(2023年度)の統計データを紹介します。

■私立文系なら4年間で約410万円かかる

授業料・入学料について、2023年度(令和5年度)の金額を確認しましょう。国立大学は省令で標準額が定められており大学での差はあまりありません。私立大学は大学によって授業料等に差があり、ここに示す金額は全国の平均です。

また、入学金は初年度のみですが授業料や施設設備費は毎年必要になりますので、かなりの金額になると考えて良いでしょう。

(1) 国立大学
入学料 282,000円、授業料 535,800円
4年間合計では、約243万円です。

(2) 公立大学(地域外入学の平均)
入学料 374,371円、授業料 536,191円
4年間合計では、約252万円です。

(3) 私立大学(文系)
入学料 223,867円、授業料 827,135円、施設設備費 143,838円
4年間合計では、約411万円です。

(4) 私立大学(理系)
入学料 234,756円、授業料 1,162,738円、施設設備費 132,956円
4年間合計では、約542万円です。

私立文系の場合、学費だけで毎年97万円、初年度は入学料と合わせて120万円もかかります。これ以外に生活費などもかかりますので、毎年の収入だけでカバーするのは厳しいかもしれません。しっかり事前に貯蓄をして備えたいですね。

■私立大学の学費は毎年上昇する傾向

このコラムでは、大学の学費について数年おきにデータを紹介していますが、以前の金額と比較してみました。

国立大学については、2005年度(平成17年度)から省令で定められている標準額が変わっていませんので、4年間合計で約243万円から変わっていない大学が多いです。

公立大学についても、2014年度の約255万円、2019年度の約255万円から大きな変化はありません。

引き続き違いが見られたのは私立大学です。
私立大学(文系)について、4年間合計の金額見てみると次のようになります。
2014年度:約386万円
2019年度:約400万円
2023年度:約410万円
4年前と比べて約10万円、9年前と比べると約24万円増えています。

私立大学(理系)についても、4年間合計の金額見てみると次のようになります。
2014年度:約522万円
2019年度:約544万円
2023年度:約542万円
こちらは4年前とほぼ同じ金額です。ただし、詳細をみると施設設備費が若干下がっている一方で、授業料そのものは2年間で約2.3%上昇していました。

最近は食費や光熱費などの価格アップがニュースになりますが、私立大学の学費についても着実に上がっていることが分かります。

■大学の学費は少し多めに準備しよう

教育費は必要な時期が簡単に分かるという特徴があります。子どもの年齢から、大学の学費が何年後に必要か確認しましょう。

大学の学費は金額が大きいので、子どもが生まれた年から準備するのが理想的です。また、大学の学費は少しずつ上がっていますので、今回示した金額よりも多めに準備するとよいでしょう。

過去のデータを参考に毎年1%ずつ学費が上がると想定すると、18年後は約1.2倍になる計算です。

例えば、現在0歳の子どもが18年後に私立大学(文系)に入ることを想定すると、約493万円(約411万円×1.2倍)が準備する目安の金額になります。

大学入学までの18年間の準備が大事ということがおわかりいただけたのではないでしょうか。拡充される児童手当なども活用して計画的に準備しましょう。

ぜひ参考にして下さい。それではまた。

出典:
文部科学省 国立大学等の授業料その他の費用に関する省令
文部科学省 国公私立大学の授業料等の推移
文部科学省 私立大学等の令和5年度入学者に係る学生納付金等調査結果について

ぜひ参考にしてください。それではまた。

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FPオフィス マネーライフ・ラボ三鷹 代表 伊達寿和

会社員時代にファイナンシャルプランナー(FP)の職業に出会う。
充実した人生を生きるには各人がお金に関する知識を持つことが重要と思い資格を取得し、その後事務所を開業。
三鷹市を中心に活動し、親身なアドバイスと分かりやすい説明を心掛けている。
CFP(日本FP協会認定)、1級FP技能士、住宅ローンアドバイザー。日本FP協会「くらしとお金のFP相談室」2017年相談員

ホームページ https://mitaka-fp.jp/

※コラムの内容は執筆当時の情報によります。

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