エッセイ

新・無宿渡世母がゆく 子育てコンビニ編 2

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2026年5月15日

新・無宿渡世母がゆく 子育てコンビニ編 2

ー水無田、師走のこころー

水無田気流

 

 師走、といえば旧暦の12月のことである。年末は、師(僧侶)が走るほど忙しい……との含意だそうだが、大学教員の身としては、年度末は1・2月であり、この時期は毎年ほぼ記憶がないほど忙しい。1月は年明け早々に卒論の締め切りがあって、学生の泣きつきメールを捌きながら、なんとか提出させて評価しながら、同時並行で共通テスト試験監督動員が待っている。卒論の評価でほぼ座りっぱなしの仕事から、いきなり立ちっぱなしの仕事になる。これはとても危険である。

数年前、数日ロクに歩いていない状態で試験監督業務を行っていた時、受験生が落とした鉛筆をさっと拾ってあげた、のは良いのだが、その瞬間私の腰が「ピキッ!」と嫌な音を立てた。もちろん、傍目には分からない。思わず叫びそうになったが、そこは大事な試験中。受験生を驚かせて解答に影響があっては行けないと思い、何事もなかったかのように華麗に(当社比)拾い上げた鉛筆を、そっと受験生の前に置いた。そのまま業務を無事遂行して帰宅後、すさまじい腰痛に襲われて寝込むこととなった。以来、卒論評価作業中であっても、ときどき立ち上がって軽く体操をするなど対策を取ることにしている。
さらに1月後半は後期の期末試験があり、例年数百名から多い時で千人越えの学生の成績評価を行う。今ではパソコンで成績入力できるのでまだ良いが、勤務先に赴任した当初、成績入力は専用のマークシート用紙に鉛筆で書き込みであり、指の神経痛を患った。その後に続く2月は、勤務先の一般入試業務が待っている。つまり、座りっぱなし→立ちっぱなしが高スピードで交互にやって来る。ゲームならラスダンか……いや、年度末なので本当にラスト。だが油断しては行けない。ほっとした、その後に訪れるエクストラダンジョンボス、確定申告が待っている……。君は、生き延びることができるか……。

<続く>

 

コンビニ通信vol.77(2026年4月発行)掲載

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