エッセイ

新・無宿渡世母がゆく 子育てコンビニ編 1

新・無宿渡世母がゆく 子育てコンビニ編  1のイメージ

2026年2月7日

新・無宿渡世母がゆく 子育てコンビニ編 1

―水無田、初めての文フリ参戦―

水無田気流

 

この前の11月、私は生まれて初めて文学フリマ(以下、文フリ)に参加した。というのも、今年2025年は17年ぶりに詩集を発刊し、詩関連の活動にももう少し参加したい気分だったからである。文学フリマは当人が文学と思うならばなんでも販売してよしという国内での文学関連最大規模のイベントである。私のジャンルは「現代詩・散文詩」で、文フリ参加はベテランのユニット・TOLTAさんのお隣に出店させていただくこととした。出店名は「FULL L WORKS」とした。今年6月発刊の詩集『FULL L』(書肆侃侃房)と、関連グッズを販売するためである。装幀をモチーフにしたポストカードとトートバッグも作成しようと詩集の装幀デザイナーの外間隆史さんにご相談したところ、とても素晴らしいグッズデザインを作成してくださった。ポストカードは5種類で、それぞれ詩集から1節ずつ抜いた文章に装幀の背景が描かれているのだが、5枚並べると装幀の全容になるという凝ったデザインである。

さて、東京ビッグサイトのブースに詩集とグッズ類を置き、販売開始。まあ……、あまり売れない。でも、詩集を手に取ってもらえるだけでも嬉しい。本立てに見本の詩集を置き、「ご自由にお読みください」と書いておいたせいか、結構立ち読みの人はいた。途中から、我が一子大五郎も売り子を手伝いに来てくれたのだが、そのうち奇妙な現象に気がついた。立ち読みのお客さんが、ほぼほぼ大五郎に詩の感想を言ってくださるのである。たしかに、なんだかヤツの方が妙に「作家感」がある。昔はダンゴムシやセミの抜け殻を集めて喜んでいたというのに、今やすっかり文学青年の風情があるのだから、人間って育つなあと思う。面白いので、横から少しニヤニヤしつつ眺めていると、そのたびに大五郎は慌てて「いや、この詩集を書いたのはこの人です!」と私を指さすというなんだか不思議な初参加となってしまったが、楽しんで終了となった。

<続く>

 

コンビニ通信vol.76(2026年1月発行)掲載

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