エッセイ

無宿渡世母がゆく 子育てコンビニ編 33

無宿渡世母がゆく 子育てコンビニ編  33のイメージ

2022年5月27日

無宿渡世母がゆく 子育てコンビニ編 33
―大五郎の腹に、北斗七星が輝く?―

水無田気流

 

わが一子大五郎(仮名)、現在9歳11か月。
……夏休み明けに、水疱瘡にかかってしまった。始業式の翌週、さあ!今日から!給食開始!仕事がはかどる!打ち合わせ!取材!原稿〜!……と思い、親の私の方は仕事の予定を入れていた、その週の初め、朝起きたら大五郎のお腹に不穏なブツブツができていた。もしや!? と思い、小児科を受診したら、まさかの水疱瘡である。小学校に連絡したら、発疹がすべてかさぶたになり、他人にうつる可能性がなくなって医師による「登校許可証」を書いてもらえるまで、通学できないとのこと。……かくして、私の仕事の予定は、崩壊した。

ちなみに私自身は、小学校5年生で水疱瘡にかかった。当時は予防接種も一般的ではなく、高熱が出てひどい目に遭った。このため、大五郎には予防接種を受けさせていたので、幸い熱も微熱ですぐに下がり、発疹もお腹と背中と太ももに数個づつできた程度。元気なのだが……、微妙になかなかかさぶたになってはくれない。

この、「元気いっぱいだが登校できない子どもがずっと家にいて、一日中かまってくれと大騒ぎ」という数日間は、大変であった。
「暇ー!遊びに行きたいー!」と騒ぎ、部屋中を跳ね回り(暇なら、担任の先生に指示された漢字書き取りの宿題でもやりなさい、と言っても当然聞かない)、「お腹空いたー!ハンバーグ!餃子!ポヨのチキン(三鷹と吉祥寺駅前で売っている鳥の丸焼きです。大五郎の大好物)!」と、肉類ばかりを所望し、外で遊べない腹いせに母に「俺と闘え!」と闘いごっこを要求し……といった有様である。

ああ、神よ。小学校の夏休みがようやく終わったその瞬間に、なぜうちの子は元気な病人になってくれたのでしょうか……。

ようやくかさぶたになり、現在うすい跡になったお腹の発疹は、なぜか『北斗の拳』のケンシロウのごとき北斗七星のような並び方で、大五郎は大喜び。「わちゃー!」などと言いながら、今も原稿を書く私の背中に、蹴りを入れて来ている。

<続く>

 

コンビニ通信vol.43(2017年10月発行)掲載

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