エッセイ

無宿渡世母がゆく 子育てコンビニ編 53

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2023年5月9日

無宿渡世母がゆく 子育てコンビニ編 53

―大五郎、ついに中学校卒業―

水無田気流

 

わが一子大五郎(仮名)、現在15歳5か月。昨日、無事に中学校の卒業式を終えた。まあ、中学校は義務教育なので卒業は出来る(はず)だが、集団行動がまるきりダメで、問題だらけのヤツにしてはなんとか頑張った……、とは思う。
思えば、新型コロナウィルス流行に翻弄された中学校生活だった。入学と同時に緊急事態宣言下の休校、その後もオンライン授業がしばらく続いた。私も夫も勤務先の大学はオンライン授業になったので、親2人が大学の講義を行なっている傍らで大五郎は中学校の授業を受けるという、カオスな状況が続いた。

もっとも、本人はあまり気にしている様子はなかった。お友達と対面で遊ぶことが難しくなってしまった時期は、ひたすらオンラインでゲーム(主としてマインクラフト)に興じていた。ゲームをしながらSkypeで通話している子ども達の後ろで、先方のお母様が「ご飯よ〜」などと言うのも聞こえてきて、しまいには親同士子どものゲーム越しにお話するようにもなってしまった。

本人の熱烈な希望と、オンライン授業のためもあって、ハイスペックなゲーミングパソコンを与えてしまったのは果たして正しかったのかどうか、それはいまだにわからない。プログラミングやオリジナルゲーム制作、作曲などもやるようになったが、同時に暇さえあれば好きなゲームファン同士のチャットに興じているようにもなってしまった。

ともあれ、義務教育は終了した。親が子どもに教育を受けさせる義務は、これで果たしたのだ。感慨深く卒業証書授与を見守り、いよいよ我が子の名前が呼ばれた、と思ったが大五郎の「はい」という声は、ほとんど聞こえなかった。まさか、中学校へのささやかな反抗心から返答を拒否か……!?と思って後で聞いたら、「き、緊張して大きい声が出なかった……」。うん……。高校に行ったらこのヘタレ気質は克服できるといいね、我が子よ……

<続く>

コンビニ通信vol.65(2023年4月発行)掲載

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