エッセイ
無宿渡世母がゆく 子育てコンビニ編 20
2022年5月27日
無宿渡世母がゆく 子育てコンビニ編 20
―大五郎、本のありすぎる生活―
水無田気流
わが一子大五郎(仮名)、現在6歳5か月。
図書館が大好きである。仕事柄、私は図書館には大変にお世話になっているのだが、いつも資料を漁っている間子ども向けコーナーに大五郎を放置、もとい、絵本を読ませていたところ、すっかり図書館好きな子どもになってしまった。
図書館の司書さんも、大好きである。愚息の無茶な要求を一生懸命聞いてくれるので、ありがたい限りである。たとえば「歴史のご本が読みたい!」と大五郎が言うと、優しく「じゃあこんなのは?」と、「にほんのれきし」「せかいのれきし」などの児童書を取り出してくれる司書さん。
だが、大五郎は納得しない。
「もっと昔!」
「どれくらい昔なのかな?」
「えーっとね、2億6千万年前!」
……大五郎、それは歴史時代ではなく、先史時代もすっとばして古生代ではないのか。
だが、司書さんは動じない。「じゃあ、これね」と、「大昔の生物」などの本を選んでくださる。
毎日毎日、こんな幼児たちの要求に応えていらっしゃるのだろうか。プロの素晴らしさに、思わず涙しそうになった。
だが、すっかりこれに味を占めてしまった大五郎。児童書コーナーに行かせると、司書さんに聞いて毎回びっくりするほどの児童書を抱え、笑顔で現れるようになってしまった。
先日私は、自分の本と大五郎の本入りの布鞄を持った瞬間、手首が明後日を向いて「びぎっ!」と嫌な音を立て軽く捻挫した。児童書は重い。
しかも、拙宅には母が仕事で読む本に加え、大五郎が借りてくる巨大図鑑が林立している。
もっとも、生まれた時から書籍に埋もれて過ごしているせいか、大五郎は気にする様子もない。毎日毎日、本の柱の間で遊びまわり、好きな本に顔をつっこんで寝ている。
親が明日をも知れぬ物書き稼業のためか、この書庫内で寝起きするような生活を何とも思っていない姿が哀れでならない。
環境とは、恐ろしいものである……
<続く>
コンビニ通信vol.30(2014年7月発行)掲載
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