ようこそ!アロマの世界へ
日本ハーバルアロマセラピスト協会認定 アロマテラピーアドバイザー リフレクソロジスト
崎谷明子(saki)さんによるアロマエッセイです
第19回 女性のためのアロマテラピー(4)
プレ更年期〜更年期
更年期なんてまだ先のこと、なんて思っていたのに気付くと自分も結構いい年になってきて、体の不調もちらほらと出てきました。寝ても疲れがとれない、生理のリズムがおかしい、体がなんだかしゃんとしない、そんなことが多くなってきてやはり私もプレ更年期?と思ったのが、この女性のためのアロマテラピーを書き始めたきっかけでもあります。 更年期とは日本産婦人科学会では、「閉経の前後5年間」と定義しています。 閉経の年齢は個人差がありますが、最後の月経から一年間月経がなかったら閉経と診断されるそうです。 平均的には50才くらいで閉経を迎えるらしいので、だいたい45才くらいから55才くらいが更年期という感じでしょうか? この時期に起こるのぼせ、不眠、疲れといった更年期特有の不快な症状が更年期障害と呼ばれています。実際、更年期障害といわれるものには、どのような症状が多いのでしょう?あるクリニックの患者の訴えを多い順に取り上げると、神経過敏症・のぼせ・疲労・衰弱・興奮性・便秘・めまい・不眠・憂うつ・動悸・記憶力減退・頭痛・冷え・しびれ等だそうです。 最近では30代・40代の女性でもこのような症状で悩む人が増えていて、「プレ更年期」と呼ばれている、ということは第16回でも取り上げた通りです。 プレ更年期で悩まされる女性も増えてきたということですが、更年期にある女性の約70%は更年期障害に悩まされるそうです。 辛い更年期障害は女性ホルモンの分泌の急激な減少が大きく関係していると言われています。 でも原因はそれだけでなく、女性のおかれている社会的な要因、また精神的な要因もあると言われています。 更年期と思うと、女性はその時点で上手に乗り切ることを考えながらも、あきらめの気持ちが強く出て来てしまいがちなのだそうです。 でも、更年期と思っていても実は他の疾患ということもあるかもしれませんし、単に不安を抱えているだけよりは、まずはきちんと病院で診てもらうことをお勧めします。 最近は「更年期外来」を設けている医療機関もありますし、実際、相談することで気持ちが楽になる人もいるそうです。 そして、本当に辛い症状ならば、医師は低用量ピルやホルモンの補填剤などの利用を勧めてくれるでしょう。 副作用など心配なこともあると思いますが、本当に辛い時は、医師との信頼関係を確かなものにして、自分でもきちんと調べて納得したことであれば、西洋医学の力を上手に取り入れることも私は一つの解決策ではないかと思います。 でも、薬には抵抗がある、それほどひどくはないけれど少しでも気分転換したい、ということであれば、やはりアロマはお勧めです。 芳香浴やアロマバスなどを日常生活に取り入れることはとても効果的だと思います。そして、更年期で大変なこの時期には、普段は贅沢でとても手が出ないような精油を購入してみるというのもお勧めです。 ローズ・ネロリ・ジャスミンといえば、精油の中でもトップクラスの高価なもの。5mlくらいのちっちゃ〜い瓶でも2万円ぐらいはするという代物です。 でもそれだけに、これらの精油が放つ香りは本当に素晴らしく、その香りは本当に人を幸せな気分にさせます。 ローズは心を明るくさせ、神経の緊張とストレスを和らげます。 それは、「幸福感をもたらす」といわれるドーパミンというホルモンを放出させる作用があるからです。 また、体内を浄化し毒素を排出する働きがあるため、古代ローマ人は二日酔いに薔薇の効果を用いたとも伝えられています。 ホルモンのバランスを整える作用もあることから、更年期障害にも有効だといわれていますし、肌への効果としては、どんな肌質の人にも適してて、特に老化肌や乾燥肌に効果的だということです。(ここが大事ですね。) ネロリも、不安や落ち込んだ心を解きほぐし、ストレスを緩和させる作用があります。交感神経系を鎮静させる作用があるので、不眠症にも効果的です。またイライラや涙もろくなったりする更年期の症状にも有効だと言われています。ローズと同じく肌への効果も素晴らしく、皮膚細胞成長促進作用があり、皮膚細胞の更新を助け、肌の弾力を改善させると言われています。(ここもポイント!)。 ジャスミンもローズやネロリと同じく、心に対して大変価値ある精油です。神経を鎮静させるとともに、積極的な自信感を生みだすと言われます。 また、この精油は妊娠中は使用できないのですが、出産の時には子宮の収縮を強めて分娩を促し、しかも同時に苦痛を和らげてくれます。 また、ホルモンのバランスを取る力が素晴らしいので、産後のうつ状態にも有効ですし、更年期のさまざまな症状にも効果的だといわれています。肌に対する素晴らしい効果もあるのですが、ジャスミンは流通されているものはだいたいがアブソリュートといわれ、溶剤抽出方法という方法で作られています。こちらはあまり直接皮膚に使用しないほうが良いと言われていますので、ジャスミンはできれば芳香浴などで使用することをお勧めします。 注意点としまして、ローズは通経作用があるため、妊娠中は避けるのが良いでしょう。またジャスミンも上記に書いたように妊娠中の使用は控えて下さい。 ジャスミンやネロリは集中力を妨げるようなこともありますから、車の運転前などは注意して下さい。また、いずれの精油もとても香りが強力ですので、使用量には注意して下さい。 この三種類の精油、効能は似ているところもあるのですが、香りはかなり違います。 よく、アロマの仲間では、ローズ派?ネロリ派?なんて聞かれることもあるくらい、好みも分かれるものですし、やはり高価な精油なので、それらのブレンドなんて考えたこともありませんでした。 でも、以前アロマの先生がローズとネロリとジャスミンをブレンドしたオイルを使用していたことがあり、ちょっとだけその恩恵に預かることができました。その香りの見事なこと!あ?、私もいつかそんな贅沢なことがしてみたい、と夢見ています。 |
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2006年6月号 |
このページの画像は素材配布サイト700kmさんからお借りしています