vol.20 宝物は何ですか





「息子のコレクション」


ガラスケースの中にディスプレイした水晶、
セミの抜け殻、化石、錆びた釘、蜂の巣、王冠・・・
これらはすべて息子のコレクションです。

もともと石が好きな子でして
小さな頃から道端で気に入った形の石を見つけると
ポケットに入れて持ち帰り
小さな箱にコツコツとため込んでいました。

色とりどりの水晶はお小遣いで買ったものや
何かの機会にご褒美として買ってあげたもの等々。

「コレ息子さんが好きそうだと思って・・・」と言って
細々としたユニークなものを頂くこともしばしば。

たくさんの楽しい物が集まったので
このようにガラスケースの中に白砂を敷き詰めて
雰囲気たっぷりにディスプレイ。
あえて人目の付くリビングの一角に置いてあります。
実は結構、お客様からも好評なんですよ♪


「昔々の落とし物」

先日、息子が学校から帰るや否や
ハンカチに包んだものを
目をキラキラと輝かせながら
そぉ〜っと大切そうに見せてくれたのです。

これらはお教室のロッカーと壁との
わずか数センチの隙間から出てきた物らしいのです。
かつて自分と同じ教室を使っていた
誰かさんの落とし物(?)な訳です。

テープで補強した埃まみれのメンコは
かなり昔の物のようです。
裏側に印刷されているアニメキャラからして
もしかしたら私と同年代くらいの人の落とし物に思えます。

どれも大人から見れば
ただのガラクタのようにも見えるのですが
11才の息子の中では大変な宝物のようです。
そしてこれらの物からどんどんと楽しい想像へと
膨らんでいる様子。
「いつか持ち主を探し出して届けに行こうかな・・・」
なんて言っているんですよ。



「私の宝物」

「宝物は何ですか?」と訊かれたら・・・

う〜〜む
とっさに頭に浮かぶ答えは「家族です。」
なんだけど

本当に「物」としての私の宝物って何だろう???
ーーーと ふと思ったのです。


そして思い浮かんだのがコレ。
”玉虫”です。

幼稚園くらいの頃、祖母からもらったのです。
玉虫をタンスに入れておくと服に困らないとか・・・

子どものころは時折、このケースをそぉ〜っと開けては
「なんてきれいな虫なんだろう・・・ 
いつか生きている玉虫も見てみたいなぁ」と
うっとりしていました。

実は大人になってからも時折見てはうっとりしているのです。
玉虫って本当に美しい虫ですよね。
残念ながら  いまだ生きた玉虫には出会っていないのですが
いつか見てみたいなぁ・・・

現在は 自分のタンスではなく
息子のタンスにひっそりと忍ばせています。
育ち盛りの息子は これからもまだまだ服が必要ですからね。
服に困りませんように・・・の願いを込めて。




2006年 3月号

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このページの素材は 胡桃の素材部屋 さんからお借りしました