その2

実は、8月29日(金)に、映画「らくだ銀座」(監督・林弘樹)の撮影は
無事にクランクアップしております。
10月下旬には完成予定です。
あとは上映を待つのみ!
の本編に期待をよせつつ、
えみきちのコラム
第2回は1次審査の結果発表からはじまります。



ACT.3−審査発表だよドッキドキ−
 1次審査の結果発表は当初、1時30分からの予定でしたが、審査員の選考が白熱したらしく?2時からに変更になりました。午前中は外出していたえみきちも、朝とはうってかわってテンションの高いなおきちから、派手なアクションをまじえたオーディションの模様説明を聞きつつ、一家そろってのんびりと昼食をとりました。

ひっこすごいねー!がんばったねー!

 えみきちは、ご褒美のチュッパチャップス2本を差し出しつつ、ひっこに心からねぎらいの言葉をかけました。するとひっこは、かすかに眉間にしわを寄せて、チュッパチャップスをひったくると、

「前の人がねー、ひっこにはお話してくれなかったんだよ!
ひっこはね、お話きいてほしかったんだよねっ!」

と叫ぶなり、2本のチュッパチャップスをアメリカンクラッカーよろしくカンカンッと打ち鳴らしたのでした。ようは、審査員が自分に何も質問してくれなかったのが不満だったらしい。戦隊ヒーローに変身できる2歳児は無敵。この世に怖いものなどないのである。たぶん。

 そんなこんなで、1次審査の発表の時間となりました。場所は審査会場と同じく商工会館。発表方法は、合格者の番号を読み上げるというドラマなんかで見るあの方法です。ひっこは「3番」なので、合否はあっという間にわかっちゃうなぁ・・・ちょっとでもドキドキ感を引き延ばしたいえみきちは、そんな事を考えながら発表を待ちました。

−「まずは、あともうちょっとで合格だった、”惜しかった人”を発表します。番号を呼ばれた方
は、立ち上がってご挨拶をお願いします。

 おお!やはりイベントをかねた公開オーディション、あっさりとは進まず、会場を盛り上げます。なおきちはすかさず、小声でえみきちに耳打ち。

「ひっこも、”惜しかった人”には入れるんじゃない!?」

 しかし、なおきちの期待むなしく、”惜しかった人”の発表番号から「3番」は早々にかわされた。

「あーあ、残念だったねー」
「でも、ま、いい経験になったねー」
「ちょっとおもしろかったしねー」

 ”惜しかった人”の発表が続く中、立ち上がってお辞儀をされる方々に精一杯の拍手をしながら、えみきちとなおきちは今回のオーディションの事をふりかえっておりました。すると、突然、なおきちの膝の上でくつろいでいたひっこが、すくっと立ち上がり、手をあげて

「はーい!」

と元気に叫びました。そして、会場にいた人たちからの拍手。「おめでとう!がんばってね」いっしょにオーディションを受けた小学生のお姉ちゃんが、ひっこに握手しにきてくれました。いつのまにか、発表は”惜しかった人”から”1次通過した人”の発表にうつっていました。そして、のんびり世間話をしていた両親をさておき、きちんと司会者の説明を聞いていた無敵の2歳児は、自分の番号を呼ばれた時にきちんとお返事をしていたのでした。

−「以上の方々、1次通過おめでとうございます。では、これから続けて2次審査を行います。」
「はーい!」

 礼儀正しいクールな2歳児の脇で、親ばか2人はようやく状況を把握して、「わぁ!」とか「きゃぁ!」とか叫んだのはいうまでもありません。



ACT3.−2次審査だよゴーゴーゴー−
 2次審査の審査要項を見て、えみきちとなおきちは再び固まりました。当然予測できた事ですが、またしても”セリフ審査”があったのです(ちなみにもう1つはカメラテスト)。

「・・・自由演技しかないよね」
「今度は、えみきちがひっこに付き添っていってね」
 
 なおきちの目は、『俺は1次審査で燃え尽きたから』と語っていました。付き添うのはやぶさかではないが、さてどうしよう。まんま、本人にぶつけてみた。

「ねぇひっこ、2次審査で何するー?」
「・・・変身する」

というわけで変身する事になりました。何に変身するのかはえみきちにもわかりません。というのも、ひっこの目が据わってて怖くて聞けなかったのです。無敵の2歳児は、昼寝タイムに突入しつつありました。
 審査の順番はくじで決めたのですが、『ひっこは眠いんだよ!』という心の叫びが念力にでもなったんでしょうか?しっかり「1番」を引き当てて、早速審査になりました。

−「こっちのカメラみてくださーい・・・今度はこっち・・・はいOK!
−「セリフ審査は・・・読めませんよね?

「読めません」
−「じゃ、元気なとこ見せて貰いましょうか

朗らかな進行の方は優しい笑顔を向けて指示します。

−「おーっ!とかいってみて
「・・・変身する」
−「えーっと

目の据わった2歳児のつぶやきにとまどう進行。

「変身すると言ってます!」
−「あ、それでは変身お願いします

 そしてひっこはカメラの前で変身しました。百獣戦隊ガオレンジャー6人全員!えみきちもまさか6人全員やるとは思わなかったのでちょっとひきましたが、審査員の斉藤こづえさんの『かわいい〜』の声が背後に聞こえて、ちょっとなぐさめられたのでした。
 最後のポーズをびしっと決めたひっこは満足そうでした。そして、その後、えみきちの腕の中で、明日のジョーのように真っ白な灰になりました(眠っちゃったって事ですね)。
 ひっこ以外の審査は、それはまじめに真剣なものでした。1回の審査では満足できないと林監督からダメ出しがでて、再度行われることになったほどです(ちなみにひっこは寝てしまったので2回目の審査は行わず、林監督から『寝顔でOK』と言われました(笑))。

 2次審査の結果は、後日自宅に郵送されます。該当する役があるか、エキストラ参加になるかなどもその通知に書かれています。すべて監督直筆コメント入りという特典付きです。合否を別にしても、その「お手紙」が届くのがとても楽しみで、結果が待ち遠しかったです。
 審査結果の通知書には、「該当役なし」と書かれていました。そして、「2次通過おめでとう!とても元気にできました」と書かれていました。
 そうです、該当役はなしなんですが、2次通過したんです(笑)という事で、ひっこ2歳は、ひっこ3歳になったころエキストラでがんばることとなりました。

怒濤の「6/7三鷹エリア公開オーディションPHOTO!」は以下のURLで参照できます!
◇三鷹の森観光協会
http://www.geocities.co.jp/SilkRoad-Oasis/2582/index.html

by えみきち

to be continued...


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