その1 〜 行かなくちゃ〜

 台湾に行ってきました。まなみの初めての海外旅行です。でも旅行というより、夫の実家がある台湾の高雄(首都は台北ですが、南にある高雄は台湾第二の都市です)で旧正月を過ごすことが目的なので帰省ですね。

 今年の旧正月の元旦は2/9でした。私たちは前日の大晦日から帰ることにしました。台湾や中国などの方々は、家族でお正月を迎えることをとても大切にしています。旧正月のシーズンは、みな必ずと言っていいほど家族のもとに帰るので、旅行のオフシーズンなのにもかかわらず乗り物類はチャイニーズ系の方々で混み合います。でも日本に来て長い夫は、ほとんど旧正月に帰ったことがなかったようで、私も自分たちの結婚式で旧正月明けに渡台したことはあっても、大晦日から過ごすのは初めてでしたので、旧正月っていったいどんなもの?とわくわくしながら出かけました。孫と会えるのを楽しみにしているアコン(おじいちゃん)とアマ(おばあちゃん)のもとへ、行かなくちゃ〜!

 出発前準備したものは、まず、娘のパスポート新宿と立川パスポートセンターがありますが、立川のセンターのところにある写真屋さんでは白黒の写真しか撮れないと聞いたので、武蔵境駅のそばのフォトショップでカラーのものを撮って、申請に持参することにしました(カラーのほうがいいなあ、と私がただ思っただけなのですが)。イスに座らせて、横からおなかを私が支えて写していただきましたが、写真にイスの背もたれも写ってしまっている・・いいのかなあ?(大丈夫でした)。12歳未満は10年間有効のものは取れず5年間有効のパスポートになりますが、それでも今の写真のパスポートで、5歳になったときに本人と判別がつくんでしょうか・・・。

 向こうで着せるための子供の服を準備するのにはちょっと困りました。2月の高雄は、日本でいうと6月くらいの陽気。去年の夏頃にまなみに着せていた服は全部、小さくて着られません周りのママ友にそれを話すと、快くお下がりをくれたり、貸してくれたり、助かりました!

 オムツは長期に滞在するなら現地で買ってもいいと思うのですが、今回は3泊だったので持参することにしました。食事は、離乳食のレトルトや瓶を日数分買って持っていくことにしました。バギーをどうしようか迷ったのですが、だっこひもで十分かなあと思ったので、持たずに行きました

 飛行機のチケットは格安航空券を扱う旅行会社で購入しました。旧正月だし、奮発してビジネスクラスにしました〜!楽しみです。

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〜えぇっ、また?〜

 空港に向かっている車のなかに、飛行機のチケット手配をお願いした旅行会社から電話がはいりました。「予約されていた飛行機が欠航になりました。2時間遅れの便に振替となっています」。え?・・事情を詳しく聞きたかったので航空会社に連絡して確認したところ、私たちが乗るはずだった便は、ホノルルから到着して日本を経由して台湾に向かうものだったようなのですが、ホノルルでエンジントラブルを起こし離陸できなかったそうなのです。乗るはずの機材が成田に到着していないので飛べない、そのため次の2時間あとの便にそのまま振替えさせていただいた、ということです。私たちにとって一番都合のいい時間帯で便を選んでいたので、がっかりしました。宮古島のときといい、私は最近、予約している飛行機に乗れない運命なのか?・・・・でも、元の予約通り、成田→台北はビジネスと、乗り継ぎの台北→高雄(こちらはエコノミー)も取れているのだからよしと思うことにしよう(2機分のお客様が乗ることになるのでビジネスがあらかじめ満席ならエコノミーになることも、乗り継ぎがうまくいかない便になるときも)。

空港に着いてカウンターに行くと、欠航の旨と、別の“日系の航空会社の高雄行きの直行便に”振り替えていただけると説明されました。直行だから、はじめに振り替えてもらった飛行機より高雄到着は早くなるし、高雄までビジネスに座れる・・・そしていつもは料金が高くて敬遠していた日系の飛行機に乗れる・・・航空会社からはミールクーポン(欠航や遅延等で空港で過ごす時間が長くなってしまった場合など、出してくれます)ももらった・・・もしかしてラッキー??・・・時間もあったので、ラウンジでものんびり過ごせました。

思いがけず利用することができた日系のビジネスのサービスは「さすが!」でした。空いていたためもあってか、子連れの私たちに、まさにかゆいところに手が届くおもてなし。担当のクルーの方に思わず「お子さんいらっしゃるんですか?」と聞いてしまいました。ベビーフードやおもちゃを持ってきてくださるタイミング、何かと安心でしょうからとミネラルウォーターを差し入れてくれたり、ジュースをお願いすると、「果汁100%のものですがお味見してください」と2つ持ってきてくださり、「薄めるお湯もお持ちしましょうか?」と付け足してくださる。クルーの方は独身だったのですが、私は、自分に子供がいなければ想像もつかなかったことなのにと感心してしまいました。

ところで、私たちは、予約時とチェックイン時に一番前の席を希望し、バシネット(赤ちゃんを寝かせるかごのようなもの)も予約しました。一番前の席は足元も広いし、前に他のお客様が座っていないので、子供が騒いだらどうしようという心配も半減。搭乗してしばらくしたとき、クルーの方が「おとなり(通路をはさんで反対側)にお客様がいらっしゃったのですが、別のお席に移動されましたので、ゆったりとお使いください」と伝えてくれました。おそらく、お隣だった方には“お子様連れの方がお隣だから、お席を移しましょうか”等配慮してお話しされた結果だと思います。航空会社に勤める友人に、機内での、子連れのお客様とお隣席の方とのトラブル事例を何度か聞いたことがあります。空席が多ければこそ、余裕のあるサービスが受けられるし、やはり子連れ旅行は混んでいない時期や方法を選んだほうが、嫌な思いもせず気も使わず快適に過ごせるのでしょうね。
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〜新年快楽!〜

 着陸前、あちらこちらで花火があがっているのが機内から見えました。台湾では、花火をあげて爆竹を鳴らしてお正月を迎えます。

高雄は暑く、気づくと、まなみは汗をびっしょりかいていました。急な環境の変化に表情がこわばったまま、おじいちゃんおばあちゃんや家族のみんなにかわるがわるに抱っこされて・・・。でも、はじめこそ不安げでしたが、滞在中はずっとそんな感じで、だんだんと本人も慣れたし、私は私で、手があくので自分の食事やいろんなことを自由にでき、大家族で育てるってきっとこんな感じなのね、これが良さ(?)なのねと思いました。

大晦日は家族が集まり(お嫁さんもみんなご主人のほうの実家に集まります。奥さんの実家にはお正月明けの2日に行くのがお決まりだそう)、お鍋を囲みます。漢方酒やごま油をふんだんに使って鶏を丸ごと煮たものをたいていは用意するようです。実家でも、お義母さんがお鍋を何種類も作っていて、お正月の間もそれを食べました。おせち料理のようなものかな。また、お頭つきの魚を調理して、大晦日に片側を、元旦にもう片側を食べます。「魚」の発音が「余」と同じなので、“今年の財産を余らせて来年へ”という意味があり、翌年の繁栄の願いがこめられているとか。

夜中には近所で爆竹が鳴り響いていました。でも、5年前に来たときは、三が日を過ぎていたにもかかわらず、もっともっとたくさんの爆竹の音がそこかしこから一晩中聞こえていました。眠れないほどのときもあったし、思わず目覚めてしまうときもありました。今回は、元旦を過ぎるとほとんど聞くことができませんでした。規制が厳しくなったり、爆竹が鳴らせないようなマンションが増えていたり、鳴らす家庭が減っていたりするようです。さみしいなあ。

元旦の朝。まずご先祖様の仏壇に家族全員でお線香をあげ、そのあと、近所のお寺(上の写真)へ初詣(?)に行きました。クリスチャンなら教会に行きます。知人に会うと、「新年快楽!恭喜!恭喜!(新年あけましておめでとう!)」と言葉を交わし、手をグーにして胸の前で左右を合わせて上下に振るしぐさをします。日本のお正月は、寒く凛とした白い空気のなか静かな気持ちで迎えるというイメージですが、台湾では気候も暖かいし聞こえてくる音楽もにぎやかだし、爆竹は鳴ってるし、飾りつけも朱赤一色でお祭りのようなので、“なんだかハッピー!今年も楽しく頑張るぞ〜〜!”という感じです。ところで、お年玉もあります。まなみも、真っ赤な封筒にはいったお年玉をみなさんにいただきました。

すっかりお正月ムードを満喫して帰路につきましたが、帰りは予約していた中華系の飛行機で、高雄から台北はエコノミーで、台北から成田はビジネスでした。うーむ、やっぱり日系の航空会社のほうが快適だったかなあ・・・。ちなみに台北空港は新しくなっていて、ショッピングも十分に楽しめます。ところで、今回私たちは行きませんでしたが、台湾ご旅行の際にはぜひ夜市に行って欲しいです。安くて楽しい食べ物がいっぱい!テレビでちょっと話題になった、その名も「臭豆腐」はほんとに臭いけどおいしい!市場によってはスリも多いので、使うお金だけを内ポケットに入れてお出かけください。大事なものはホテルのセーフティボックスか、クビから下げて服の内側へ、または腰に巻く(これも服の内側)!です。

今回は、子連れ旅行記というより、異文化紹介になってしまいました〜〜。
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2005年5月号

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