まなみ3歳5ヶ月 ヨセミテへ

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その1〜サンフランシスコへ行く!〜

今年はアメリカ・カリフォルニアのヨセミテ国立公園を目指すことにしました!
そういえば、夫が、「サンフランシスコに行きたい」と子どもがいないずっと前から言っていました。それを思い出したことが始まりです。でも、3才の子連れで街遊びっていうのには抵抗があり、プラスアルファのプランを練ることにしました。 

A. サンフランシスコ + ナパのB&Bに1.2泊
B. サンフランシスコ + モントレーのB&Bに1.2泊
C. サンフランシスコ + ヨセミテ国立公園内に2.3泊

この3つを検討しました。
ナパは、サンフランシスコ近郊のワインカントリー。モントレーは、サンフランシスコ市内から南に車で2時間の海沿いの街。そして、ヨセミテ国立公園は、車で東へ4.5時間走る先に広がっています。ちなみにB&Bとは、bed&breakfastのことで、朝食のみが用意されたペンションのような宿泊施設(私は大好きです!)。オーナーの趣味が生かされた素敵なお宿が多いです。でも、小さい子ども連れでは泊まれない宿もあります。

うーむ、どのプランにしよう・・・と考えた末、キャンプ場好きの我が家にとってヨセミテはやはり魅力的だったので、プランCでいこう!!ということになりました。私はサンフランシスコもヨセミテも10年ぶり。楽しみです。

さて今回、まなみ用にあらたに準備したものは、[1]クスリ [2]携帯用シートベルト [3]携帯用便座 [4]工作絵本 でした。[1]はいつものことですが、かかりつけの小児科の先生に「海外旅行に行く」と事情を話して、今出ていない症状にも対応できるようなクスリをあらかじめもらっておきます(風邪対応も、ウチの場合は皮膚の様子で服用する抗ヒスタミン剤も)。携帯用のシートベルトは、ベストタイプのもの。レンタカーを借りることになったとしても(去年のハワイでチャイルドシート装備に難儀しましたし)、ちょっと車に乗ることになってもあったほうがいいなと思ったのです。携帯用便座は、ホテルの部屋で使うために、プラスチック製の折りたたみ式のものを用意。工作絵本はもちろん飛行機機内用です!プラスチックのハサミ&のりと一緒に機内持ち込み手荷物の中へ。ああ、これでどのくらいもつだろうか・・。

ところで、100円ショップは必ずチェックします。今回も、洗濯洗剤、洗濯バサミ付物干し、お菓子を購入。友人に、洗面器を買って持って行って現地で使って帰りは捨てて来る、と言っていた人もいます。たしかに、洗面器は海外のバスルームには無いですからね。

全部で7泊。サンフランシスコ到着はお昼前ですが、その日の予定は何も入れないでおきました。ホテルに入れれば部屋でゆっくり過ごすつもりです。そして翌日は朝から市内観光をしようと、現地の旅行会社主催の半日コースをネットで申込みました。ヨセミテも、現地の旅行会社経由で予約しました。以前も書きましたが、アメリカの国立公園を訪れる際には、公園内で2泊以上するのがオススメです。が、公園内の宿泊施設は限られていますし人気も高いので、早めに予約をする必要があります。また、お部屋を旅行会社が確保していて個人手配が難しい場合も多いので、旅行会社を通して予約するといいと思います!

つづく。

2007年10月号


ゴールデンゲートブリッジ。クリックすると大きい画像がご覧いただけます。

その2〜サンフランシスコからヨセミテへ〜

成田空港で遊んだりシャワーを浴びたりしてから、いざサンフランシスコへ。10〜12時間の旅です。

サンフランシスコ到着の際のホテル送迎は、あらかじめネットで予約していました。係りの紳士とロビーでおち合い、そのままホテルへ。チェックインができたので、部屋に入り、まず休みました。予想外にたっぷり寝てしまい、気づいたら夕方。ホテルのフロントで聞いた近くの和食屋で、うどんを食べ、ホテル周辺を散策したのでした。

翌日はバスに乗って半日市内観光。ひとおとり名所観光をして感覚をつかみます。アメリカは、時差で昼夜逆転しますから、やはり到着翌日はなんとなく常に眠くて疲れます。娘は私たち以上に不快なようで、バスの中では寝てばかりです。しかし、夜眠れなくなるからと眠気を我慢しても始まらないので、眠いときには寝る、とおおらかに構えたほうがいいです。そのほうが、かえって早く体がなじみます。しかし、夫が、ゴールデンゲートブリッジだ!展望台だ!とはしゃいでバスを降りて行くのを尻目に、寝た娘を抱えて車内に残らざるえない私・・・。母は大変だ。

フィッシャーマンズワーフで解散後、シーフードレストランでランチ!アザラシの大群を見ながら、巨大な器に入ったクラムチャウダーとパンを頬張りました。そして、ゴールデンゲートブリッジを海から間近で見ようと、遊覧船に乗ってみました。橋の下をくぐり、刑務所としての歴史がありアル・カポネが投獄されていたアルカトラス島を周囲から眺めながらの1時間ほどの遊覧は、とても気持ちのいいものでした。が、ここでも娘は爆睡・・。その後、電車でホテルに戻り、夜は、ホテル近くのショッピングモール「ウェストフィールド」で簡単に済ませて、朝食用にパンやヨーグルトなどを買い込みました。翌日、ケーブルカー博物館というローカルな博物館を見て、チャイナタウン(全米一の規模)で飲茶をしました♪餃子やシューマイなどが大好物のまなみには飲茶が一番!このあたりでやっと普通のリズムになり元気になった娘、さあ、次の日は4時起床。いよいよバスでヨセミテへ向かいます!!

一度ホテルをチェックアウトするものの、ヨセミテで必要のない荷物はすべてスーツケースに入れて、ホテルのフロントに預けていきます。そのために、ヨセミテから帰ったあとも同じホテルに滞在するようにしたのです。スーツケースに入れて日本から持ってきたリュックや手提げカバンに2泊分の荷物を詰め込んで、足はトレッキングシューズに履き替えて、5時間近いバス旅に出発。

バスはトイレ付きで快適。満員で、ヒザ上に娘を抱いて身動きもなかなか取れない5時間はかなり辛いものでしたが、幸いにも娘には基本的に乗り物に乗ると眠くなる習性があり、それに大いに感謝した次第です。途中の大型スーパーがあるドライブインで休憩とランチの買い込み。惣菜コーナーとパンコーナーで食料をゲットし、バスの中で食べながら、ヨセミテの中に入っていきます。ところで、今回も安さにひかれ、英語案内ツアーにしました(日本人向けのツアーだと料金は1.5倍くらい)。でも、神経が休まらない子連れ旅人にとっては、長距離の場合は特に、こちらがボーッとしててもフォローしてもらえるような、にっぽんのツアーバスのほうが楽ちんだ〜と思いました。

さて、宿泊するヨセミテロッジに到着!空気のすがすがしさ、目の前にそびえ立つ雄大な山々。私の脳裏には10年前の記憶が蘇りました(と思います・・)。ヨセミテに来たからには少しは歩きたい。そう思って園内MAPを見直し考えました。“たしか、このトレッキングコースは池のほとりを歩く楽な道、このコースは坂道を下りるだけ・・今日は近くのヨセミテ滝を見て、明日はちょっとだけ歩いてみよう。”・・今、思えば、このとき自分の記憶を疑って、誰かに確認するべきだった。ビジターセンターもあったのに・・そうすればあんな怖い思いはー!!・・と次回に続きます。

2008年5月号



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その3〜〜大自然、ヨセミテ1〜

ヨセミテロッジには、昼過ぎ、公園内をバスで簡単に巡ってからの到着でした。まずはチェックインして荷物を部屋に運びこみます。フロントから、別棟の客室まで歩いていると、もう足元にはリスが。ヨセミテのリスは大型なのですがとても人懐っこくて可愛い!娘は大喜びです。

部屋で園内MAPを見直したものの、早く川で泳ぎたい!という気持ちが抑えられず、シャトルバスに飛び乗って近くの川辺に遊びに行きました(園内は無料のシャトルバスが頻繁に運行しているので、上手に利用して楽しみます)。静かな浅瀬で川遊び。少し離れた橋のたもとでは、木の上から川へと飛び込んで遊んでいるグループがいました。とても贅沢な時間です。その後、歩いてスーパーへ。夕食&朝食の買い出しをします。ヨセミテロッジのそばには、スーパーやレストラン、売店などが何軒もあり便利です。ロッジに戻り、まだ暗くなっていなかったので、すぐ近くのヨセミテ滝まで歩いて散歩に出ました。滝と言っても、ヨセミテの滝のほとんどは初夏には枯れてしまうので、そびえ立つ岩肌しか見ることができません。世界でも指折りの落差を誇り、春には轟々と水が流れ落ちるこの滝を、夫と娘に見せてあげたかったなあ!1日目はそんな感じでブラブラと過ごしたのですが、私はいつも国立公園に滞在して遊ぶ場合など特に、まずビジターセンターに行って園内の詳細MAPや天候やトレイルの状況(落石がないかとか凍っていないかとか)を、何はともあれ調べることを大切にしていたのですが、このときは、なぜは川遊びを優先させてしまい、しかも、以前のあいまいな記憶を疑うこともせずにいました。翌日は、午前中に園内ツアーに参加する予定でした。最後に、グレーシャーポイントという、ヨセミテ峡谷を見下ろし一望できる展望台に行ってその後解散するコースでした。10年前に同じようなコースを巡ったとき、希望者はグレーシャーポイントでバスを降りて歩いて山を下った記憶がありました。広い舗装道路を気楽に2.3時間歩くコースだったと思います。あのくらいだったら3才の娘にも問題あるまい、そう思いました。それを夫に告げ、それなら歩いてみようということになっていました。

翌日。バスに揺られて広い広いヨセミテのごく一部を見て廻ります。そしてグレーシャーポイントに到着、そこから眺める渓谷や、ヨセミテの象徴“ハーフドーム”の景色にただただ感動です。私たちはドライバーガイドに、“ここで降りて歩いてロッジまで帰る”旨を伝えました。彼が言った「小さい子供を連れてだと、簡単じゃない道だから気をつけて」という言葉に少々不安を感じながらも、売店で小さな水のペットボトルとホットドックを一つだけ買って、トレイルの看板に沿って歩き始めました。うっそうとした道を1時間くらい歩いたのですが、だんだんと道が狭くなってきました。足元にはゴロゴロとした岩、道の片側が崖で完全に山道です。展望台から降りている私たちは下るだけなのですが、下から登ってくるハイカーのほうが多く、何度もすれ違います。そのたびにHI!と笑顔で挨拶を交わしていたのですが、そのうち気づきました。そのほとんどの人たちはかなりの重装備。服こそはタンクトップに短パンですが、リュックも持っている水も、山登り仕様。ザイルを持っている人もいます。うちの娘の歩く姿に「すごいねー」と大きなリアクション。“下から何時間くらいでココに来たのか”と聞くと、「3時間かな」という返事だったのですが、それは屈強な足腰を持ったあなたの場合・・・我が家の装備は、ゆるやかなくだり道の舗装道路を2.3時間歩くことを目的とした格好で、なんと、かばん斜めがけ。足はスニーカーに毛のはえたようなハイキングシューズ、水は3人で1本のペットボトル、やわな日本人で、3才のひよわな娘付き。私も夫も青くなってきました。今さら坂道を登ったとしても、ふもとまで降りる足がない。これは、歩いて降りるしかないと決心し、「歩くの疲れてきたよ」と話す娘に、売店で買ったホットドックを開けて食べさせていたときです。そばにいたハイカーの一人が、私たちに向かって静かに「bear」と声をかけました。振り返ると・・・すぐ後ろに熊の顔―!心臓が止まりそうになりながら、静かに後ずさりしてその場を立ち去ろうと、更に山道を下へ進みました。くねくねした道を曲がって早足で歩くと、木の間をそのまま下へ下へと歩いてきたさっきの熊が目の前に!廻りのハイカーたちから「静かに。落ち着いて。」と小さく言ってもらっていたにもかかわらず、こちらに降りてくる大きな熊を見て、娘は思わず「くまー!」と叫んでしまいました。ヤバイ!襲ってくる!と思って一瞬身構えました。・・・・でも、その熊は娘の声に驚いた様子で私たちから離れてまた山を降りて行きました。ああ、良かった、と一安心。

でも。この山をもっともっと歩かなければ帰ることができない。ここに来るまでも熊のフンがたくさん落ちていたしこれからもそうだろう、しかも気温がグングンと上がってきたけれど手元に水が十分にない。シャレにならない状況だと思いました。娘に怖い思いはさせられないので、明るく笑顔で励ましましたが、でも、私たちの雰囲気に何かを感じたらしく、それからはいつもの彼女からは想像もできないガッツでもくもくと歩いたのでした。

つづく

2008年6月号



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その4〜〜大自然、ヨセミテ2〜

疲れてくると「おんぶしてほしい・・」と言うので少しの間おんぶしますが、すぐに「やっぱり歩いてあげる」と言って降りてくれます。夫婦は水を飲むことを我慢しまなみに与えていましたが、彼女なりに飲む量を控えていたと思います。しかし、一歩間違えば熱射病になる暑さでした。本当にシャレになりません。

途中、道なき道もあり、しかし、すれ違う人に情報をもらいながら歩き続けました。

出会ったパークレンジャーに、「お嬢さん、気をつけてあげてね。」と声をかけられ、そして「ここには熊がたくさん生息している。食べ物を安易に広げたりしないようにね。それから、出会っても刺激しないように。」と助言を受け・・・・もうしてしまいました・・・と心の中でつぶやいたのでした。熊は人を無差別に襲うということではなく、自己防衛のために攻撃すると言われていますよね。。道にはあちらこちらに熊のフンがありました。木の実が豊富な時期で、それほどおなかもすいていなくて神経もとがっていなかったのだと思います。しかし・・熊はともかく、なにより、水も食料も十分になく甘い装備で山に入ってしまったこと、下調べもしなかったこと、本当に軽率でした。しかも小さい子がいるのに。「浅はかな日本人」と新聞に載るところだった・・・と思います。

反省しながら必死に歩き、そして・・・0キロ地点に到着!私たちはもちろん娘も「やったー!!」と叫びました。トレイル入口の看板の前でバンザイして撮った写真は大切な1枚です。しかし・・その周辺にロッジがあると思っていたら、ない。そこからまたロッジを探す時間が何より辛かった・・と今でも夫は言っています。しかし娘はよく歩いた。降り立ったトレイル入口の看板には「7キロ」と表示されていました。この7キロの険しい山道を合計6時間かけて降りてきたのでした。ロッジに帰ると夫は寝込み、私の足の親指は爪全体に血が滲んでいました。私は、夫と娘が休息している間に、真実を確認しようビジターセンターに行きました。聞けば、グレーシャーポイントからのトレイルは私たちが歩いてしまった1本だけで、ゆるやかな舗装道路なんてものは存在しないとか。なんだか狐のつままれたような気持ちになりましたが、あらためてビックリしたのが、歩いてしまったトレイルは「超上級者向け」と書いてあったこと。子連れだからと初心者向けコースをちょっとお散歩できればいいねーと話していた私たちなのに・・。

このときの娘の靴が今だに捨てられずにいます。それから、夫は、私の記憶を一切信用してくれなくなりました・・・。

3日目。出発は15時だったのでまだ時間があります。足がとにかく痛くてまともに歩けないので、自転車を借りて、後ろに子供が乗るトレイラーをくっつけて、ちょっとだけサイクリングすることにしました。ああ、足が痛くなかったらもっと遠くに行けたのに・・・と夫にチクチク責められながらも、途中の川で泳いだりと結構エンジョイしました。最後に、シャトルバスに乗ってアワニーホテルというちょっとリッチなホテルへ遊びに行ってロッジに戻り、リスに別れを告げて帰りのバスに乗り込むのでした。


サンフランシスコに戻り、途中で買った夕食をとって即睡眠!サンフランシスコにはあと2日間滞在します。何をしようか・・と考えながらも寝入ってしまいました。

翌日。ヨセミテに出かける前は、ゴールデンゲートブリッジを歩いて渡りに行こうかとかナパにドライブに行こうかとも話していたのですが、まだ筋肉痛が残る体、結局、船に乗ってサウサリート(上の写真)という海沿いの街を散策するだけにしました。のんびりのんびり、アメリカ旅行の余韻に浸り(というか、ヨセミテが強烈すぎて他がかすむんですが・・)、帰国しました。

今回、サンフランシスコという「都市」にも滞在したわけですが、小さい子どもが一緒だと、街遊びはできないですね。おいしいレストランがあっても、楽しそうなシアターがあっても、大人ならそれを楽しみたいですが、3才には意味がないですものね。治安面でもハラハラする場面を避けたいと思えば、のんびりできる自然の中がいいなあと思います。


呑気に記しているうちに、旅行から1年が過ぎてしまいました。娘は4才になり、私の足の爪はやっと再生しました。さて、この秋、念願のプチ親子(母子)留学をする予定です!仕事を休めるだけ休ませてもらい、2ヶ月間の超プチな計画ですが、娘を現地の幼稚園に通わせます。どこに行こうかなあと考えた結果、自然の中でのんびりしようと思い、ハワイ(オアフ島)に行くことに。来月は、ハワイから記事をお届けできたらいいなあと思っています。

2008年9月号


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