第3回 あなたも私も「宇宙人」?!
星のソムリエみたか(星空案内人)
岡崎昌史(おかざき・まさふみ)
米国のスペースシャトル「アトランティス」が日本時間の9日午前0時29分、フロリダ州のケネディ宇宙センターから打ち上げられました。スペースシャトルは過去30年間、宇宙開発を支えてきましたが、今回の打ち上げを最後に引退します。 アトランティスには4人の米国人宇宙飛行士が乗っていますが、彼らが「宇宙人」だということは知っていましたか。「うっそー!」という声も聞こえてきそうですが、少し私の話を聞いてください。 現在の人類は約10万年前に東アフリカ(地図で場所を探してくださいね)で生まれ、世界中に広がった「ホモ・サピエンス」が先祖です。その人類は様々な人種や民族に分かれ、各地で国を作って生活してきました。人びとには人種や民族、国が同じという意識はありましたが、「地球人」という意識はまだなかったようです。ところが、15世紀にコロンブスがアメリカを発見するなど、「大航海時代」と言われる時代になりました。その頃から、地球が丸いと言うことを誰もが理解するようになりました。そうしたなかで、民族や国々に分かれている私たちも地球人だと言う考えが出てきました。「人類みな兄弟」という言葉は地球人にふさわしい言葉でしょう。 ところで、宇宙から初めて地球を眺(なが)めた人を知っていますか。50年前の1961年にソ連(当時)の宇宙飛行士として初めて宇宙飛行をしたガガーリンです。地球へ帰ってから彼が語ったと言われる「地球は青かった」という言葉は有名ですね。大気圏を突き抜け、宇宙に飛び出すことで地球人は「宇宙人」になったのです。つまり、民族や国家という枠(わく)を飛び出し、地球規模で物事を考える「地球人」から、地球だけでなく、太陽系、さらには宇宙規模で物事を考えるのが「宇宙人」なのです。国際宇宙ステーションに滞在していた山崎直子さんも宇宙人です。これで、アトランティスの宇宙飛行士が宇宙人と言った意味がわかりましたね。あなたも立派な宇宙人になれるようにしっかり学んでください。 |
2011年7月