第4回 ウチュウジンと流れ星

星のソムリエみたか(星空案内人) 
岡崎昌史(おかざき・まさふみ)

 みなさん、元気に夏休みをお過ごしですか。今回は「ウチュウジン」のお話です。

「えーっ、また宇宙人」という声も聞こえそうですが、今回は「宇宙塵」についてです。

「塵」という字は皆さんが学校で習う漢字には入っていません。「ジン」と読みますし、「ちり」とも読みます。宇宙塵の多くは星と星の間にある微小な粒子で大きくても100分の1mm程度です。ただ、太陽系を回る彗星(すいせい)が残していった塵も砂粒程度と少し大きいですが、宇宙塵で、地球の大気と衝突すると明るく発光し、流星になります。今月13日前後に「ペルセウス座流星群」が見られます。この流星群は「スイフト・タットル彗星」が残していった塵が流星のもとです。残念ながら今年は14日が満月なので月明かりが強く、流星群観測には適していませんが、1時間に何個見つけられますか。周りに灯りが無く、開けたところで横になってゆっくり観測してください。

 流れ星の中には小惑星同士がぶつかりあって、その一部が地球へ飛来、大気圏に突入するものもあります。燃え尽きずに、地上へ落ちてきたのが隕石(いんせき)です。

ところで、地球上で最も多く隕石が見つかるのはどこだか知っていますか。実は南極です。南極は大昔から積もった雪の層が大変厚く、宇宙から飛んできた隕石が落ちても、厚い雪の層に埋もれてしまいます。雪が溶けると隕石が顔を出します。日本の南極探検隊はたくさんの隕石を見つけ、持ち帰ってきています。八王子にある国立極地研究所で実物を見られます。他の地域では土や海の中に落ちると、探し出すのが困難です。


 宇宙塵や隕石を調べることは私たちの地球や太陽系の成り立ちを知るのに役立ちます。これから流星群や「火球(かきゅう)と呼ばれる大きな流れ星を観る機会が増えます。地球や他の惑星の成り立ちを考えながら、流れ星を観るのも楽しいですね。流れ星のスピードは非常に速いので、願いごとをする時は心中で3度唱えるようにした方がいいと思いますよ。



2011年8月

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