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力を抜いて,ゆったりと・・・・



第75回 子育て応援フォーラム ここから始まる 子ども・子育て会議元年

■にっぽん子育て応援団第5回フォーラムに行ってきました
朝晩ぐっと冷え込むようになってきました.
暦の上では、もう立冬ですね。みなさまいかがお過ごしでしょうか。
11月1日、にっぽん子育て応援団主催子育て応援フォーラム「ここから始まる 子ども・子育て会議元年 どうつくる?! わが町の事業計画」が開催され、田町の女性就業支援センターに行ってきました。
前回6月1日に第4回フォーラムがあり、その時のテーマは、「ついにスタート?」でした。
その時のレポートは、このエッセイの71回に載せていますので、ご参照くださいね。

日本の子育てを「何とかしたい!安心して子育てできるにっぽんを作ろう!」いうことで、始まった、にっぽん子育て応援団ですが、設立当初から、国、地方自治体、子育て支援団体、議員などが集まり、子育て支援について議論をする場となっています。
そして、このような議論の中から生まれた「子ども・子育て新制度」が27年からスタートすることについては、やっと少しずつ一般に知られるようになってきましたが、、まだまだ「子ども・子育て新制度って何?」という方も多いのではないでしょうか。

今回のフォーラムは、すでに「子ども・子育て会議」が始まっているところ、まだのところ、全国からNPOや行政などさまざまな子ども・子育てに関係する方々が集まり、先進自治体の事例を聞くパネルディスカッションや、樋口恵子、堀田力両にっぽん子育て応援団団長と内閣府政策統括官付参事官(少子化担当)の長田さんとのスペシャルセッション「市民が考え、市民が作る わが町らしさ」、その後は、フォローアップ勉強会と盛りだくさんの5時間でした。


■子ども・子育て会議 わが町ではこう進めている
開会あいさつの後、早速パネルディスカッションが始まりました。
コーディネーターは、
応援団若手団長の、安藤哲也さんと勝間和代さん。

パネリストは、
成澤廣修さん 文京区長
谷畑 英吾さん 湖南市長
大豆生田啓友さん 玉川大学準教授、墨田区子ども・子育て会議会長
吉岡 恵美さん 山口県内の子ども・子育て会議を応援するプロジェクト
長田 浩志さん 内閣府政策統括官付参事官(少子化担当)

■子どもを望むすべての家庭が、安心して子どもを産み、育て、子育てによろこびを感じられるために
文京区長の成澤さんは、自ら育休を取った首長として話題になった方ですが、文京区で今、子ども・子育て会議がどんなふうに進められているのかをお話しされました。
文京区は出生数がここ5年で増加しており、未就学児童人口が5年間で22.5%も増えているそうです。
待機児童の問題が切実なのですが、認証保育所ではなく、基本的には、認可保育所開設を中心としたサービスの拡充を目指しており、幼稚園の預かり保育時間の延長なども対策に入っています。
保育ニーズだけに目が行きがちですが、子どもを望むすべての家庭が、安心して子どもを産み、育て、子育てに喜びを感じられるために、子育ての不安や負担の軽減に力を入れているということでした。
非婚、晩婚、不妊なども含めて考えていかなければいけないとお話しされていたのが、印象に残りました。

■「この子らを世の光に」
湖南市長の谷畑さんは、滋賀県湖南市の子育て支援事業についてお話しされました。
人口5万5千人の湖南市は、人口が減少していますが、就学前児童数は、減少気味ですがほぼ横ばいで、保育所の利用児童も同様でした。
この市の特徴としては、外国籍児童が多いということで、保育園に通訳を配置しているそうです。
また、日本社会福祉の父と呼ばれる糸賀一雄にゆかりのある町ということもあり、「障がいのある人が地域でいきいきと生活できるための自立支援に関する湖南市条例」があり、発達段階に応じた支援の必要な子どもの受け入れ、支援の必要なこどもの就職・自立に力を入れており、乳幼児期から就労まで一貫した支援をしているということでした。
糸賀一雄は、「この子らを世の光に」という言葉を残しなくなりましたが、知的障害児等の入所・教育・医療を行う「近江学園」を創設するなど社会福祉に生涯を捧げました。
障がいのある子どもに光をあてるというのではなく、障がいのある「この子らを世の光に」という言葉は、深くこころに響きます。
今年は生誕100年ということで、谷畑市長さんは、力を込めて、子ども・子育て支援の基本的な考え方を、この言葉に託して語られました。
湖南市では、子ども子育て未来会議がスタートしているということです。

■市民参加と子ども・子育て会議
墨田区子ども・子育て会議会長の大豆生田さんは、専門が幼児教育学・保育学の大学の先生です。会長になった経緯や墨田区での子ども・子育て会議についてお話しされ、どうやって市民を巻き込むか、市民のネットワークを意図的にひろうことや、保育所についても専門的な議論の必要があるのではないかと述べられていました。

山口県の子ども・子育て会議を応援するプロジェクトの吉岡さんの活動は、ユニークでした。
吉岡さんは、地方版子ども・子育て会議へ応募して落選。6月の応援団のフォーラムに参加して刺激を受け、子ども・子育て会議が、「地方主権と市民参加」の現場だと感じ山口県内各自治体向けに地方版子ども・子育て会議についてのアンケートを実施、結果をWebで発信するなどの応援プロジェクトを展開していました。
表の会議に出れないのだったら、”裏会議”を作ろうと、子ども・子育てについて、様々なセクターの方が話をする場を作ったりという活動をされていました。
現場の声が行政に届くには、やはり多くの人が議論する場が必要だなあと感じました。
”裏会議”という発想に、子育て支援に対する熱意と心意気が感じられます。

そして、内閣府の長田さんからは、新制度の施行に向けた準備状況についてのお話がありました。消費税引き揚げによって確保される0.7兆円程度を含め、追加の恒久財源を確保し、幼児教育、保育、地域の子ども。子育て支援の質・量の拡充を図るということで3000億円程度は、子育てに財源が行くのではないかというお話でした。
27年4月に本格施行される予定の新制度の設計は、国の子ども・子育て会議で審議されているそうですので、制度がどのようになっていくかを見守らなければいけません。

毎回このようなフォーラムに参加して、子育て中の方々や一般の市民がもっとこのテーマについてたくさん話をしなければいけないし、まずは関心を持たなければいけないと感じます。
応援団長若手の勝間和代さんは、コンビニの商品については、一般市民の関心が高く、消費者のニーズに合った商品が次々に開発されるけれど、子どもの教育や福祉についてももっと市民が関心を持ち議論するべきではないかという感想を述べられましたが、まさにその通りと思います。

■市民が考え、市民がつくる、わが町らしさ
フォーラム終了後、「市民が考え、市民がつくる わが町らしさ」というテーマで、樋口恵子、堀田力両応援団長と内閣府長田さんの鼎談がありました。
堀田さんは、地域で子育てをする運動を作っていかなければいけないし、子どもが自ら育って行く力をつけるには、人と交わることが一番大切と話されました。
長田さんは、ご自身も子育て真っ最中で、共働きの大変さなどご自身の体験を交えて話され、個人の努力、家庭の努力、企業の努力があり、多様なニーズにこたえられる支援が実現すのではないかと述べられました。
樋口さんは、介護保険ができた時との違いや、公募委員の発言の大切さについて経験談を織り交ぜてのお話は興味深く、「いろいろな意味で、失望はするが、絶望はしていない。」との言葉に樋口さんよりも若い世代は勇気をいただきました。
また、縦割りをつなぐのが、地域の力だという言葉も印象に残りました。

■ここから始まる子ども・子育て会議
フォローアップ勉強会は、NPO関係、行政関係と別々の部屋で、グループに分かれ、ワークをしました。
わたしたちNPO関係者は、6つのグループに分かれて、ある架空の市を想定して、その市で子ども・子育て会議をするとしたらということで、アイデアを出しあいました。
その発表を行政の方々が聞いてコメントをするという趣向でした。
わたしのグループには、東京だけでなく、福井や岩手、静岡からも参加があり、他市での会議の様子なども聞くことができ情報交換もできました。

このようなフォーラムに参加すると、全国各地の様々な自治体の様子が少しですが、見えてきます。子ども・子育て支援に長くかかわり、少しでも子育ての環境が良くなるようにと努力されている方々に出会うことは、とても励みになりますし、元気をいただきます。
来週は、三鷹市の子ども・子育て会議が開かれます。
わが町では、どんな会議になっていくのでしょうか?
今年は、子ども・子育て会議元年です。


 みなさまのご意見ご感想をお待ちしています。
  
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nana


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2013年11月号

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