そして、最後に三つ目ですが、「性格」。抽象的でわかりづらいと思います。もっとわかりやすく言えば、「負けず嫌いの性格」。野球だけに限らず全てのスポーツに共通して言えることだと思います。
単純明快な話で、試合で負けると悔しい→今度は負けたくないからもっと練習をするという図式。但し、プロ野球選手レベルになると、常に学生時代は、極端にいえば、何をやっても一番な訳で、逆に言えば、「常に一番でなければ気がすまない性格」と言い換えることができるのではないでしょうか。はっきり言って、この人たちのレベルでの負けず嫌いは尋常ではありません。負けてしまうと、悔しいを通り越して「怒り」になってしまいます。その「怒り」のパワーがトレーニングという方向へベクトルを向かわせ、結果、練習量増加、それによる技術向上、と、その繰り返しだと思います。
何歳ぐらいの時にそういう性格がきまるのか?どの様にすればこんな性格になるのか・・・というのは、多分いろいろ意見があるとは思うのですが、私は全くわかりません。別に開き直っている訳ではありません。だって分からないのだから・・・。それでも、なんとなく思うことはありまして、今までの人生を振り返ってみますと、兄弟がいる子のほうが一人っ子よりは負けず嫌いのような気がします。もうひとつ、小学校低学年の時点で負けず嫌いか否かは決まってしまっているような気がします。
ちなみに、「現在のプロ野球選手で一番の負けず嫌いは誰か?」と私が尋ねられたら、迷わず「イチロー選手」と答えます。なぜそう言うのかといいますと、一昨年のMLBリーグチャンピオンシップでの出来事ですが、ヤンキースとの対戦で残念ながらイチロー選手のチームは敗退してしまいました。でも、敗退が決定的な試合の最後の打席で、イチロー選手は明らかに怒っていました。怒りのあまり、自分のスィングを捨て、珍しくただただフルスウィングをしていたのです。私にはあの「負けてたまるか」という彼の心意気が今でも脳裏に焼きついています。脱線してしまいますが、サッカーの中田英寿選手も昨年のW杯では予選で足首を負傷してしまったにもかかわらず「勝つ」というこだわりのため、一言も痛いと言わず、全試合を戦い抜きました。未だに当時の捻挫の事は一言たりとも話していません。多分、引退して自伝を出す頃にとっておきのあの頃の話を披露してくれるのでは、と思ってみているのですが。またまた長くなってしまいましたが、結論として、一流アスリートはとにかく精神力が強いという事が分かっていただきたいと思います。但し、強いとか弱いとかいうレベルではなく、一般人には想像ができないほどの「負けず嫌い」なんです。
今まで3回に分けて「プロ野球選手になるためには」みたいなものを書かせていただきましたが、これを読んで実践したらうちの子がプロ野球選手になりました!!なんて話はおそらくありえないと思います(^_^;。このせちがらいデフレ不況の中、子どもを野球漬けにし、なおかつ、莫大なお金と時間を費やすことができる家庭がある様には私には思えません。でも野球に限らないのかもしれませんが、スポーツというものはとても素晴らしいものです。ドラフト1位、契約金1億2千万円というのは無理かもしれませんが、スポーツをした事によってかけがえのない仲間が生まれ、一番の財産と思われる健康な身体を作り出す事が出来るでしょう。整骨院という仕事柄、たくさんの身体の調子が悪い方々を診察させていただいて思うのですが、やはり健康は、人生において一番素晴らしい!!肉体的にも精神的にも、別に子どもさんがプロ野球選手にならなくてもいいじゃないですか。先日の高校野球甲子園大会の予選ですが、弱小都立高校野球部なんですが、九回裏2アウトランナー無しからの一挙9点、奇跡の大逆転サヨナラ勝ち。彼らにとっては何にもかえられない一生の財産です。野球って素晴らしい! VIVA
BASEBALL!!
|